9月24日に、中央教育審議會の教育課程部會で、外國語ワーキンググループの第1回會議が開催され、その中で、小學(xué)校の外國語科では言語活動中心の授業(yè)が定著しつつあると報告されています。 小學(xué)校での外國語科が始まってから短い期間で、これほどの成果が出ているというのはすばらしいことで、小學(xué)校で外國語に攜わっている先生方には胸を張り、ご自身に向けて拍手をしていただきたいと思います。 私からも、心からの拍手をお送りします。
1. 小學(xué)校では英語の読み書きは急がなくてもOK!
外國語の授業(yè)の中で、「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」の4技能のうち、「聞くこと」と「話すこと」の活動が多いと、児童が鉛筆を持って機(jī)に向かう時間が短くなるため、「本當(dāng)に身についているのかな?もっとちゃんと『勉強(qiáng)』させたほうがいいのでは?」と不安になる先生もいらっしゃることでしょう。 しかし、みなさんは母語を習(xí)得したときに、最初に文字から覚えたでしょうか?例えば、1歳前後に「ママ」や「まんま」などの最初の発語をしたときには、もちろん文字を読むことも書くこともできません。 私の場合、就學(xué)前までにはスムーズに聞いたり話したりすることができるようになったと思いますが、それを文字で認(rèn)識し書けるようになったのは、もっと年齢を重ねた後だったと思います。
また、世界には約7,000の言語があると言われていますが、その多くが文字をもたない言語です。 文字をもたないことで、その言語で記録をすることが難しいなどの弊害はあります。 しかし、文字が無い言語を母語にする人たちも、音聲でのコミュニケーションには支障がありません。 つまり、人間はもともと音から言語を習(xí)得する能力をもっているのです。 そのため、少なくとも小學(xué)生の段階では、英語を聞いたり言ったりすることを優(yōu)先し、読んだり書いたりするのはその後で問題ありません。
2. 文字や単語の綴りを見せるべき?
音聲を重視するとなると、「文字や単語の綴りを見せてはいけないのでしょうか?」という疑問が出てくるかもしれませんが、見せても大丈夫です。 例えば、教室で英単語を扱うときに絵カードを児童の前に示すことがありますよね。そのときに絵カードに単語の綴りが書いてあっても、もちろんよいのです。 絵カードに綴りを示しておくことで、例えば「イチゴっていう意味の英単語(strawberry)は音も長いけど、文字にしても長いんだなあ」とか、「トマトを英語でtomatoって書くってことは、ローマ字と一緒だ」とか、児童が文字に関わることに気づいてくれる可能性があります。 ただし、児童によって注目するところはバラバラなので、文字や単語の綴りを見せることで全員に効果があるというわけではありません。ちょっと試してみましょう。 以下は大阪の道路標(biāo)識ですが、みなさんはこれを見て何か気づくことがありますか?
ちなみに私が「ここに気づいてほしいなあ」と思っていたことは、天満橋と天神橋について、同じ「天(てん)」がついているにも関わらず、ローマ字表記が天満橋はTemであり、天神橋はTenであるという點(diǎn)でした。 これを読んでいるみなさんの中には、この表記の違いに気づいた方もいるでしょうし、気づかなかった方もいると思います。 これと同様に、教師が単語の綴り入りの絵カードを示したときに、カードのどこに注目するのかは児童によって違うため、児童全員が文字に注目するかというとそうではありません。 絵カードに単語の綴りを示すことは効果的ですが、即効性を期待しすぎないことが肝心です。それでも、たまに文字に注目するような活動を行いつつ絵カードを使い続けることで、文字に意識がいき、文字に関することに気づいてくれる児童が増えてくるでしょう。 これはあたかも、自分が新しく車を買おうと思っているときに、急に町なかで、買う候補(bǔ)の車が目に留まるようになるのと同じ現(xiàn)象です。
3. 「わからないこと」に耐性がある子どもは「わかること」を見つける天才!
外國語ワーキンググループの第1回會議では、小學(xué)校では「書くこと」に課題があり、「読むこと」「書くこと」において教師が指導(dǎo)に難しさを感じていると指摘されています。 「読むこと」も「書くこと」も、音聲で慣れ親しんだ語句や表現(xiàn)を?qū)澫螭趣工毪长趣刃W(xué)校學(xué)習(xí)指導(dǎo)要領(lǐng)の目標(biāo)に示されていますが、英語で文を示すことで、「子どもたちは読めなくて困ってしまうのではないか」と心配になる先生もいらっしゃるでしょう。 でも、小學(xué)生の子どもたちは日本語であってもわからないことに囲まれています。例えば、以下の文章を見てください。
駅○內(nèi)で次の行○をすることは○止されています。
?火薬類、○○○○體、○薬などの○○品を持ち○むこと
?指定した場所以外での飲食、○○
?駅○○などを○○○は○○○びその○れのある行○を行うこと
?風(fēng)○を○す行○を行うこと
?その他係員の○○○行の○げとなる行○を行うこと
これは駅構(gòu)內(nèi)での禁止事項(xiàng)を記した掲示物の一部ですが、5年生の4月の段階でまだ習(xí)っていない漢字を?で示したものです。 子どもたちは大人よりもずっと、未習(xí)の漢字が含まれる文に出合うことに慣れていて、曖昧さへの耐性が高いと言えます。ちなみに、掲示物の原文は以下のとおりです。
駅構(gòu)內(nèi)で次の行為をすることは禁止されています。
?火薬類、可燃性液體、劇薬などの危険品を持ち込むこと
?指定した場所以外での飲食、喫煙
?駅設(shè)備などを破損又は汚損及びその恐れのある行為を行うこと
?風(fēng)紀(jì)を亂す行為を行うこと
?その他係員の職務(wù)遂行の妨げとなる行為を行うこと
このように「わからないこと」がたくさんある世界の中に生きている子どもたちは、「わかることを見つける天才」なのです。 先日、娘の小學(xué)校の運(yùn)動會に行ったときに、閉會式で學(xué)年ごとに並ぶために「3年」と書かれたプラカードを持っている小學(xué)生がいました。 それを見た4歳くらいの男の子が、「3って書いてある!」とうれしそうに叫びました。 「年」という文字が読めないことよりも、「3を見つけた!」という喜びのほうが勝ったのです。 小學(xué)校の外國語科でも、子どもたちにはこのような「わかることを見つける」という経験を味わわせてあげられるといいなと思います。 子どもたちがわかることというのは、例えば日本語でもカタカナ語として使われている?yún)g語や、それまでに何度も音聲で聞いたり言ったりしてきた単語です。 このような「わかること」をきっかけにして広い英語の世界に飛び込んでいく子どもたちを、一緒にサポートしていきましょう。